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ミーゼス理論とミーゼス応力について超分かりやすく解説してみる

機械工学系の人が勉強していると必ず出てくるのがミーゼス応力。

結構大事な概念なんですが、授業でサラッと説明されちゃって「なんかよくわからん」って思っている人もいるはず。

でもミーゼス応力ってちゃんと勉強してみると、そんなに難しい話では無いし、とても便利で大切な考え方なんですよね。

今回はそんなミーゼス応力と、その考え方の元になっているミーゼス理論について図も交えながら分かりやすく解説してみたいと思います!

今まで分からなかった人もこれを読めばちゃんと理解できるはず!

そもそもミーゼス理論ってなに?

まずミーゼス応力の元になっているミーゼス理論のお話から見ていきましょう。

通常、降伏点は試験片を用いた単軸の引張試験により測定されます。

これは大学の実験なんかでもやったことがあるのではないでしょうか?

そして、その応力とひずみの関係は金属材料の場合、このような応力ひずみ線図(SS線図)として表されます。

キャプチャ225

単軸であればこのようにすぐに降伏応力を求めることが出来ます。

測定した応力がもし、降伏応力より大きかったら材料は塑性変形するし、小さかったら弾性変形で済みます。

しかし、これはあくまでも1方向のみを考えた応力とひずみの関係です。

これでは多方向から複合的に荷重が加わった場合の降伏について判断するのは難しいんです。

想像するだけで「なんか複雑そう、、」って思っちゃいます。

でも、もし多軸の応力状態についても単軸と同じように一つの応力で降伏を考えることが出来たらすごく便利ですよね?

多軸の応力を一つの応力の値に置き換えたものを相当応力と呼びます。

このような多軸の荷重下でも相当応力を用いて単軸の応力として簡単に降伏条件を考えることは出来ないか、、と考えたのがフォンミーゼスでした。

フォンミーゼスはせん断ひずみエネルギー説に基づく相当応力による降伏条件を提唱しました。

このフォンミーゼスによるせん断ひずみエネルギー説を基にした多軸荷重下の降伏条件の理論をミーゼス理論と呼び、ミーゼス理論による相当応力のことをミーゼス応力と呼びます。

しゃる

ミーゼス理論を使えば多軸の荷重下でも一つの応力に置き換えたミーゼス応力を使って簡単に降伏条件を考えられるっていうことだね!

せん断ひずみエネルギー説からミーゼス応力の導出

先ほど、「せん断ひずみエネルギー説に基づいて~」と言いました。

では、実際にせん断ひずみエネルギー説に基づいてミーゼス応力を導出してみましょう!

その前に、まずはせん断ひずみエネルギー説の復習から。

MEMO
せん断ひずみエネルギー説とは‥‥材料中に蓄えられるひずみエネルギーのうち、体積変化を伴わないせん断ひずみエネルギーだけが破損に関与すると考えるもの

せん断ひずみエネルギーは以下の式で与えられます。

キャプチャ216

ここでνはポアソン比、Eはヤング率、σ₁σ₂σ₃は主応力を表します。

ではミーゼス応力を導出していきましょう!

単軸の相当応力を考えたので、その相当応力をσ₁=σyとおき、σ₂=0σ₃=0とおいて式(1)へ代入すると、式(2)が得られます。

キャプチャ217

式(1)(2)はそれぞれWに関する式なので、二式より以下の式が得られます。

キャプチャ218

このσyが三軸における降伏条件を考える相当応力であり、ミーゼス応力です。

式(3)を見てもらえるとわかる通り、ミーゼス理論ではせん断ひずみエネルギー説を用いて三軸の降伏条件を単軸の降伏条件に落とし込んでいますね。

しゃる

これで多軸の荷重下でも降伏条件を簡単に議論できるね!

ちなみに式(3)をグラフに表すと、下図のようになります。

キャプチャ226

ちょうど円柱の形になっているんですが、この円柱の内側が弾性範囲、円柱面が弾性破損基準になります。

つまり、材料に加わる応力を測定してその主応力をプロットしたときに、もし円柱内にプロットされれば弾性変形、円柱面にプロットされれば降伏点に達しているという判断ができるわけですね。

また、σ₂=0とすることで、二軸の降伏条件を考えることもできます。

式(3)にσ₂=0を代入すると以下の式になります。

キャプチャ220

この式(4)をグラフに表すと以下のようになります。

キャプチャ223

ちょうどさっきの円柱を断面で切ったような形になっていますね。

ちなみに破線は最大せん断応力説の降伏条件を図示したものになります。

せん断ひずみエネルギー説のみを考える場合は、青線の内側が弾性範囲、最大せん断応力説まで考慮する場合は破線内が弾性範囲になります。

ミーゼス応力を利用した降伏条件

多軸の荷重下における降伏条件を考えるのは困難ですが、ミーゼス応力を用いれば三軸から一軸に降伏条件を落とし込めるので、簡単に降伏条件を議論することが出来ます。

式(3)をσyについて解くと、ミーゼス応力は以下の式で表され、これが降伏条件となります。

キャプチャ222

多軸の荷重下でも式(5)を使えば簡単に降伏条件を考えることが出来る、ミーゼスの残した功績は大きなものと言えますね。

MEMO
ミーゼス応力は大きさのみを持つスカラー量です。なのでベクトル量と異なり方向の情報を持ちません。つまり、ミーゼス応力のみでは応力の方向は分からないことに注意してください。

まとめ

さて、ここまでミーゼス理論とミーゼス応力について図を交えながら解説してきました。

もう一度重要なポイントを振り返っておきましょう!

ミーゼス理論‥‥せん断ひずみエネルギー説を用いた多軸の荷重下における破損を評価するためのフォンミーゼスの理論。

 

ミーゼス応力‥‥多軸の降伏を考える際の相当応力。三軸の場合以下の式で表される。

キャプチャ222

ミーゼス応力は材料力学でもかなり重要な内容なので、しっかり理解しておきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。